2004-06-18-Friday

<講義 講義名="金融論" 限="2" 担当="数阪孝志">
<日付 曜日="金">6/18
<配布プリント枚数>3 - 金融論(第9回) IS-LM分析の拡張 → AD(総需要) - AS(総供給)分析 など

  1. 日経 2004年6/18 社債発行にブレーキ、長期金利上昇1.94%、企業負債圧縮急ぐ(年金運用はプラス面も)、住宅ローン金利上げへ
  2. 日経 2004年6/18 長期金利1%上昇なら国債費増加、税収増の3倍、財務省試算、予算編成の制約に
  3. 日経金融新聞 2004年6/16 米、家計の負債残高最高、FRB調べ3月末利上げ控え駆け込み
  4. 朝日新聞 2004年6/15 夕刊 昨年度の家計初の赤字に、金融資産は増加
  5. 日本経済新聞 2004年6/15夕刊 個人の株式保有1.5倍、3月末残高77兆円、評価額膨らみ4年ぶり増加
  1. 金融論(第9回) IS-LM分析の拡張 → AD(総需要) - AS(総供給)分析 (参考:北坂真一「マクロ経済学・ベーシック」(有斐閣)2003年 第8章)
    1. 財市場・貨幣市場・労働市場の3つの市場を検討対象とし、国民所得(Y)と物価水準(P)の決定を議論する
      1. 登場する経済主体 - 家計・企業・政府(IS-LM分析と同じ)
      2. 新たに家計の労働供給と企業の労働需要を分析のフレームワークに導入
    2. AD曲線
      1. 財市場の均衡条件 - S(Y) = I(r)
      2. 貨幣市場の均衡条件 - M/P = L(Y,r)
      3. IS-LM分析では、物価が下落してもIS曲線に変化はない。
      4. LM曲線は左辺が大きくなるので、マネーサプライの増加と同じ効果を持つことになる
      5. LM曲線が右方にシフト
      6. 最初のLM曲線 LM(P0)が物価下落後にはLM(P1)にシフト
      7. 均衡点がE0からE1に移動
      8. 利子率がr0からr1に下落すると同時に、国民所得はY0からY1に増加
      9. (実質貨幣供給量の増加で利子率が低下し、投資を促進する結果、財への需要が増加する)
      10. AD曲線 右下がりの形
    3. AS曲線
      1. 労働供給曲線
        1. 名目賃金を一定とする家計の労働供給行動
        2. Nfまで名目賃金W0で働くことを希望 労働供給曲線は水平
        3. 労働供給量Nfの水準で完全雇用 労働供給曲線は垂直に
      2. 労働受容曲線
        1. 実質賃金の減少関数
        2. ソレゾレノ物価水準に応じて1本の労働需要曲線(右下がりの形)
        3. 物価が上昇すると(P0 → P1)労働需要曲線が右方にシフト