レポート(出さなくてもよい、出すと20点プラス) - 2001年に米国で発生したエンロン事件の内容とそれに対する感想
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- 期限 - 次回 (後期の最初) の講義まで
- レジュメにある言葉を10回以上使うこと(レポートにマークをつける)
- エンロン設立からカリフォルニア電力危機で利益を上げるまで - エンロンは2つのガスパイプライン会社が合併することにより1985年に設立された。その2つのガスパイプライン会社とは、ヒューストン・ナチュラルガスとインターノースだ。また、この時期はガス業界の規制緩和によって、業界再編が進んだ時期と重なる。1980年代終盤になると粉飾会計をやりはじめた。また、企業規模を拡大 (ガス取引に積極的にデリバティブを取り入れて) していった。1990年代に入ると取り扱い商品をガスのみから電力を含むエネルギー取引全般に広げ、見かけ上の利益を水増しした (キャッシュフロー会計を利用して)。2000年の夏から翌年にかけては、空売りなどにより利益をあげた (カリフォルニア電力危機で)。
- エンロンが倒産 (2001年12月2日) するまで - 2001年の社員数は約21000名までふくれあがっていた。夏ごろから株価が低迷し始める (海外事業の失敗などが一部明るみになったため)。8月にケネス・レイ元会長は、エンロンの子会社の業績の赤字の総額が約10億ドルに達しているとの報告を受けた (経営役員会で)。10月17日には株価が急落。なぜなら、ウォールストリート・ジャーナルがエンロンの不正会計疑惑を報じたから。またSEC (証券取引委員会) の調査も始まった。そして、結局12月2日に経営破綻することになった。
- 感想 -エンロン事件は、資本主義社会を構築する上で必要不可欠な株式会社というシステムが、いかに不完全であるかということを如実に示している (もちろん、合名会社、合資会社、有限会社にも欠点はある)。それを補完するのが株主総会だ。なぜなら、株主は無限責任を負うことのない有限責任な主体であるがゆえに、代表取締役を代表とする執行役員の選定においてコーポレートガバナンスの重視を最優先事項にできるからだ。また、経営者側と株主側の情報格差を小さくすることにより不正が起こる可能性を下げられる。また、株主側が不利益を被る可能性を下げることができる。
■「証券市場論入門 (isbn:4561950982)」と前期の講義内容の対応表 及び 重要なポイントの確認
- 第3回 株式会社(1) - 企業形態 ⇔ プリント 2-1 〜 5
- 第4回 株式会社(2) - 株式会社の機構 ⇔ プリント 3-1〜5
- 第5回 株式会社制度(3) - 株式と社債 ⇔ プリント7-3〜4
- 第6回 株式会社制度(3) - コーポレートファイナンス ⇔ プリント7-1〜2
- ページ58〜63 - 下記の語句を理解し、それぞれのつながりを付けること。出来れば、貸借対照表に結び付けて説明できれば望ましい。
- 自己資本
- 他人資本
- 内部資金
- 外部資金
- エクイティファイナンス
- デットファイナンス
- インターナルファイナンス
- ページ58〜63 - 下記の語句を理解し、それぞれのつながりを付けること。出来れば、貸借対照表に結び付けて説明できれば望ましい。
- 第7回 証券の流通 ⇔ プリント1-4〜5
- ページ65 - 下記の語句を理解すること
- 発行市場
- 流通市場
- ページ68〜69 - 下記の語句を理解すること
- 発行市場と流通市場の相互前提性
- 企業開示
- ページ65 - 下記の語句を理解すること
- 第12回 証券会社と証券取引所 ⇔ プリント5-1〜7、6-1〜4